美山北支店は１０月１１日、怪我を負った国の特別天然記念物ニホンカモシカの赤ちゃんを元気になるまで保護し、山に返した夫婦の実話を基に描いた絵本「おかえり、フク」を山県市立いわ桜小学校に３冊寄贈しました。

　この絵本に登場した山県市神崎地区に住む山本兼雄さんと妻の禮子さんは、美山北支店と取引があり、来店時や訪問時に職員との何気ない会話の中から「私達の実話が絵本になるんだよ」ということを知りました。２０２３年７月に出版された絵本を購入し、支店職員全員が読みました。絵本の内容は、１９９５年６月に山本夫婦が自宅周辺の清掃活動をしていたところ、草むらで怪我をしたニホンカモシカの赤ちゃんを発見。国の特別記念物に指定されているため県職員に相談したところ、元気になるまで育てて翌年の春に山に返すというもの。子どもに恵まれなかった山本夫婦は、ニホンカモシカを「山に帰っても幸福に暮らせるように」と“フク”と名付け、一緒に布団で寝るなど我が子のように可愛がっていました。この絵本を読み、涙をこらえながら一人の職員が「地元の子どもたちにぜひ読んでもらいたい」との一言がきっかけとなり寄贈することになりました。

　この日は、美山北支店の山口昌彦支店長が実話になった山本夫婦を連れ、いわ桜小学校に訪問。いわ桜小学校の図書館で、山口支店長から廣瀬久士校長に絵本３冊が手渡された後、山本夫婦が“フク”の成長過程を撮影したアルバムを持参し、図書委員の係りをする４～６年生の児童５人と交流を深めました。図書委員からは「フクと一緒に寝たの？」「噛まなかったの？」などの質問が飛び交い、山本夫婦との楽しいひと時を楽しみました。

写真＝山本夫婦と山口支店長と交流を深める図書委員

写真＝絵本を図書委員に手渡す山口支店長（右）