農機の自動化など作業効率を上げるスマート農業が広がりを見せ、健康志向や環境意識が高まるなか、有機農業や減農薬の食材を求める消費者の声が増えています。そこで2023年5月にJAぎふでは、「有機米デザイン」が開発し、井関農機が出資、販売する水田雑草抑制ロボ「アイガモロボ」を5台導入しました。水稲生産者4人と岐阜県立岐阜農林高等学校の各圃場(ほじょう)で実証実験するため貸与し、有機や減農薬に取り組んでみようと考える水稲農家にその成果を伝え、使用する水稲農家が増えることで有機農業や減農薬など環境負荷を軽減した農業の確立をめざします。
農家と一体となって取り組む農業所得の向上の一環として、付加価値を付けた有機米栽培を確立するため、2022年に有機米実証展示圃を管内市町(岐阜市・本巣市・山県市)4箇所に設置し、圃場で有機米栽培に取り組んでいます。これを機に「アイガモロボ」を導入し、農作業の効率化を進めることで、有機による付加価値の高い米を生産・販売することでブランド力の向上を図ります。
「アイガモロボ」は、長さ130㌢、幅90㌢、高さ40㌢で、下部に設けたスクリューの水流で水田の土を巻き上げることで、水田全体を濁らせて太陽光を遮り、雑草が光合成しにくい環境と柔らかい土の層を形成し、雑草種子を出芽できない深さに埋めます。
5月30日には、岐阜農林高等学校の校内にある水田30㌃で、導入した「アイガモロボ」を生徒と岩佐哲司組合長が水田に浮かべ、除草抑制作業を見守りました。
写真=「アイガモロボ」を岩佐組合長と浮かべる生徒ら