山県市洞田地区にある「伊自良十六拍子保存会」は同市長滝地区の甘南美寺境内を竹燈籠の祭典「燈す」で、JAぎふの地域活動支援基金(通称:みのっ太基金)で新調された大小2頭の竜が太鼓や鉦(しょう)などの音色にあわせ優雅に舞いました。新型コロナウイルス感染症拡大により、3年ぶりに行われた「伊自良十六拍子」を地域住民らが足を止め見とれていました。
伊自良の雨乞い太鼓「伊自良十六拍子」は、約400年前から地域住民に伝承される伝統芸能。その昔、伊自良地区で日照りが続くと釜ヶ谷の山頂に集まり、太鼓と鉦を雷鳴のよう打ち鳴らし、竜廻しをすることで雨をよんでいました。しかしながら1969年に伊自良湖が完成したことで水不足が解消され、「伊自良十六拍子」への関心は徐々に薄れていました。
この伝統ある「伊自良十六拍子」の歴史を途絶えさせてはいけないと、水不足解消後に同保存会が発足し、地元で行われる「伊自良夏まつり」や「伊自良市民運動会」、「山県市重要無形民俗文化財舞台公演会」などで演舞するほか、地元小学校の児童に指導するなど伊自良地域の歴史を学び、郷土愛を深める活動を行っています。
長年に渡り使用された竜は、シミや破れなどの劣化が目立つようになり、公の場で披露することはできない状態でした。この竜を新調し、多くの人に迫力ある竜廻しを見てもらいたいと、同基金から約84万円を支援してきました。
写真=「燈す」祭典を盛り上げる「伊自良十六拍子」